未払い残業代の請求で失敗しない方法|請求時に有効な証拠について

未払い残業代の請求で失敗しない方法|請求時に有効な証拠について

企業側は、基本的に従業員に残業代を支払わなくてはなりません。しかし、企業の中には、残業代を支払わないところも存在します。そのため、残業代が支払われないことに疑問を抱いている方も少なくありません。また、後から請求しても残業代を支払ってもらえるのか分からず悩んでいる方もいるでしょう。

当記事では、残業代の未払いに関する情報を詳細に解説します。残業代の未払いを請求する際の手続きや、残業代の未払い請求で有効な証拠、未払い残業代を請求する際におすすめの方法について紹介するため、残業代が支払われず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1.残業代の未払いで罰則を受ける企業は少ない

労働基準法第119条では、「従業員に残業代を支払わなかった場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」という罰則が定められています。

出典:電子政府の総合窓口e-Gov「労働基準法」

残業代の未払いで罰則を受けるケースは、大きく分けて4つ存在します。

  • 法定労働時間を超えた残業代を従業員に支払っていない場合
  • 36協定を結ぶことなく時間外労働をさせている場合
  • 36協定の所定労働時間を超えて時間外労働をさせる場合
  • 深夜・休日労働の割増賃金を従業員に支払っていない場合

上記の事例に当てはまる場合、企業は罰則を受ける可能性があります。しかし、実際に罰則を受ける企業は非常に少ない状況です。

残業代が支払われなくても、従業員側が我慢してしまい、表面化することは多くありません。また、管理監督者に残業代が支払われなかったり、規定の期間を経過して、残業代請求権が時効となってしまったりする場合もあります。

そのため、実際にテレビやインターネットで、残業代を支払っていない企業が罰則を受けたというニュースをあまり見かけない方も多いのではないでしょうか。

残業代の未払い問題は表面化することが少ないため、残業代を取り戻したいと思ったら、従業員自らが行動を起こすことが必要です。

2.残業代の未払いを請求する手続きの流れ

残業代を請求したいものの、請求方法が分からない方も少なくありません。ここでは、残業代の未払いを請求する際の流れについて詳細に解説します。残業代の未払いを請求する際の流れを理解した上で、残業代の請求に取り掛かりましょう。

①証拠を集める

残業代を請求する際には、必ず証拠が必要です。証拠がない場合、企業に対して残業代を請求しても支払われないことがあります。

②残業代の計算をする

残業代の計算をして、実際にどれくらいの金額の残業代が支払われていなかったのかを事前に確認します。

③示談交渉する

残業代の請求額が判明したら、まずは企業と話し合いをします。
話し合いで企業側と交渉が成立した場合、裁判をする必要はありません。

④内容証明郵便を送る

企業が示談交渉に応じてくれない場合、内容証明郵便を送ることも1つの手段です。
弁護士に依頼することで、内容証明郵便の送付が楽になったり、残業代を請求できる可能性が高くなったりします。

⑤労働審判を利用する

交渉によって残業代の請求が困難な場合は、裁判所の労働審判を利用して請求を進めましょう。労働審判には判決と同一の効力があるため、残業代を早く回収したい方におすすめの方法です。

⑥労働訴訟する

労働審判をしても解決できない場合、民事訴訟を提起する必要があります。労働訴訟は期間が長く、解決するまでに1年以上かかることも覚悟しておきましょう。

3.残業代の未払い請求で有効な証拠

残業代の未払い請求の流れについて理解したら、次は証拠についてしっかりと勉強しましょう。証拠が不十分であったり、証拠にならなかったりすると、残業代を請求できない可能性があります。

残業代の請求に有効な証拠として代表的なものには、以下のものが挙げられます。

・タイムカード

タイムカードを使用して従業員の勤怠管理をしている場合、最も手に入りやすい、有効な証拠です。

・パソコンのログイン・ログオフの記録

パソコンを使って業務を行っている場合、ログインしてからログオフした時刻までは勤怠記録と見なすことができます。

・オフィスへの入出記録

IDカードなどで企業のオフィスへ入館・出館していれば、その時刻も勤務時間の証拠とすることが可能です。

・業務に関する内容のメール

業務でメールを頻繁に使用している場合、メールを作成・送信した時間は仕事をしていたと見なすことができます。

・上司からの指示メモ

上司からの指示で動いていた場合、その仕事を行っていた証拠と見なすことが可能です。ただし、具体的な労働時間の立証をすることは困難な傾向にあります。

・業務日報

労働時間まで日報に記録している場合は、この記録によって残業時間を証明することも少なくありません。

・交通系ICカードの記録

電車に乗った時間が分かるため、残業時間をある程度推定することができます。

・手帳・日記

手帳や日記などに詳細に業務時間を記録している場合、残業代請求の際の証拠にすることが可能です。

・給与明細書・源泉徴収票

残業代を計算する際には、基礎賃金・請求金額を明らかにしておく必要があります。

・雇用契約書・労働条件通知書

雇用契約書や労働条件通知書には、給与や残業代の計算方法が記載されていることが多いため、給与計算の際に必要です。

3-1.証拠が手元にない場合の対処法

有効な証拠が手元にない場合でも、残業代を請求することができるケースは存在します。残業代の請求に有効な証拠が手元にない場合には、以下の方法がおすすめです。

・企業に任意の開示を求める

企業には、従業員名簿や賃金台帳、タイムカードなどを3年間保存しておかなければなりません。そのため、証拠が手元にない場合は、企業にタイムカードなど残業代請求の証拠となり得る資料を請求することが可能です。

・証拠保全命令を申し立てる

企業が残業代請求の証拠となり得る資料の開示に応じない場合、裁判所に証拠保全を申し立てることができます。証拠保全を申し立てると、企業が保管している証拠を提出させることが可能です。

4.未払い残業代の請求には弁護士への相談がおすすめ

残業代の未払い請求には、法的な専門知識が必要な場面が数多く存在します。そのため、一般の方では難しいことも多く、残業代の請求を諦めてしまう方も少なくありません。

ここからは、残業代の未払いに関して相談できる機関について、詳しく紹介します。未払いの残業代を請求する際は、これから紹介する機関にぜひ相談してみてください。

4-1.労働基準監督署・労働局

労働基準監督署は、管轄内の企業や事業者が労働関係の法律を遵守しているのかを監督する機関です。

また、労働基準監督署は、違法な企業に対して是正勧告をすることで、捜査・送検して刑事訴追に関与する権限も持っています。そのため、労働基準監督署が勧告すれば、未払い残業代を支払ってもらえる可能性が高まります

労働局は全国の都道府県に設置されており、労働基準監督署と同様の機関となっています。労働局は企業と従業員の斡旋を行っているため、企業と話をする際に相談してみましょう。

4-2.労働組合

労働組合に相談することで、残業代が支払われるケースもあります。
残業代の未払いについて困っている方は1人だけではありません。企業と話し合いをする際に労働組合を介することで、従業員個人ではなく、労働組合全体で交渉を行うことができます

しかし、労働組合の中には、経営者と繋がっている団体も存在します。そのような場合は、社外の合同労組や弁護士に相談してみましょう。

4-3.弁護士

社外の機関や労働組合に抵抗がある方は、弁護士に相談することがおすすめです。弁護士に相談するメリットは主に、以下の2点です。

・正確な法律知識を持っているため、確実な請求ができる

個人で残業代を請求しようと思っても、法律的な専門知識がないために、請求を諦めてしまう方もいます。しかし、弁護士は法律の専門家であるため、確実に残業代請求を行うことが可能です。

・有効な証拠が手元にない状況にあっても、企業側への開示請求などの対応が可能

有効な証拠が手元にない場合、企業に資料を請求することは非常に困難で、請求できないことも少なくありません。特に、退職後は開示請求がより困難です。しかし、弁護士であれば未払いの残業代をどのように請求すべきなのか熟知しています
証拠が手元にない場合は、まずは弁護士に相談しましょう。

弁護士事務所は数多く存在します。その中でも特におすすめな事務所は、未払い残業代の請求に高い実績のある「千代田中央法律事務所」です。過去に数百万円規模の残業代を回収した実績があり、安心して任せることができます。

まとめ

残業代の支払いは法律によって定められています。しかし、従業員が我慢してしまい、罰則を受ける企業が非常に少ないことが現状です。

また、残業代の未払い請求は法律的な知識が必要となるため、一般の従業員では解決できないという問題もあります。

残業代の請求をする際は弁護士事務所など、専門の機関に相談することがおすすめです。
残業代の未払いについて困っている方は、千代田中央法律事務所に相談してみてはいかがでしょうか。

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