残業代の時効が3年に延長!早めに請求するべき理由とは

残業代の時効が3年に延長!早めに請求するべき理由とは

現時点で支払われていない残業代がある方は、何年前まで未払いとなっているか改めて確認しましょう。従来の請求権や消滅時効を参考に計算している場合、民法改正によって実際の期限と大きな差がある可能性も考えられます。

残業代を請求するためには、過去の残業データをさかのぼるだけでなく、残業代請求の時効についても把握することが重要です。

そこで今回は、時効が3年に延長されたことによって請求できる残業代と、残業代の請求が対象外となるケースについて解説します。また残業代を請求する方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1.残業代の時効には「請求権」と「消滅時効」が関係している

残業代の時効がいつまであるのか調べるためには、まず「請求権」と「消滅時効」について理解しておく必要があります。

残業代が発生した瞬間、労働者は勤務先の企業に対して残業代請求権を得ます。その名のとおり残業に対する対価を請求できる権利で、仮に残業した月が数か月前であっても、条件を満たせば後日でも請求することが可能です。

ただし、請求権には、債権の消滅時効期間と呼ばれる期限があります。一定期間行使しなければ、労働者が企業に対して得ていた残業代請求権が無効となってしまうため、残業代を回収する際は消滅時効を迎える前に請求手続きを行いましょう。

1-1.時効が2年→3年に延長

従来、労働基準法第115条において、賃金および災害補償、その他の請求権は「2年間」が時効と定められていました。

出典:電子政府の総合窓口 e-Gov「労働基準法」

民法が改正された結果、2020年4月1日より請求権の時効は3年間に延長となりました。一般の債権に関する消滅期間が改正される動きにあわせ、残業代の時効も統一すべきではないかと議論されたことがきっかけです。

出典:厚生労働省「働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)」

ただし、時効の延長はあくまで2020年4月の法改正以降に生じる賃金に対してのみ適用されます。下記のとおり、状況によっては消滅時効の延長となりません。

請求権が延長されないケース 2020年3月以前に未払いの残業代がある
請求権が延長されるケース 2020年4月以降に未払いの残業代がある
一部のみ延長されるケース 2020年3月以前と4月以降にそれぞれ未払いの残業代がある(2020年4月以降の分のみ延長される)

2020年3月31日までに発生した残業代の時効は2年間ですが、4月1日以降に発生した残業代の時効は3年間となります。1日の違いで1年間の差となる点に注意しましょう。

1-2.今後5年に延長される可能性も

厚生労働省によると、残業代を含む未払い賃金に関する債権の消滅時効は将来的に5年間まで延長する予定があると公表されています。

出典:厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」

延長が提案された当初は、一般の債権と同様に5年の時効を定めるべきとの声がありました。しかし、検討会での経営者側の強い反発により、経過措置として当面の間は3年間への延長に留まっています。

経営者側や政府の事情があるため、将来的に必ずしも5年間へ再度延長されるとは限りません。あくまで案のひとつであり、現状を加味すると過去に一度消滅した分をさかのぼって請求できる可能性も低いでしょう。

仮に延長が決定した場合は、2025年ごろの施行になると予想されます。

2.残業代の請求は早めにするべき理由

消滅時効の延長に頼らず、未払いの残業代を認識している場合は、早急に請求することをおすすめします。時効の期限を勘違いするリスクに加え、以下のようなデメリットが生じるためです。

◯証拠集めが難しくなる

残業代を請求するためには、客観的に残業を証明できるものが求められます。たとえばパソコンのログイン・ログアウトの情報など残業していた時間が分かるものや、残業代に関する取り決めが分かる労働契約書などが挙げられます。

上司からの残業指示が書かれたメールなども、大切な証拠です。しかし、中には時間が経過するとともに記録や保存が難しくなるものも含まれるため、スムーズに残業請求を行うためにも早めに証拠を集める必要があります。

◯会社が倒産してしまう可能性がある

時効の延長を機に未払いの残業代を請求する従業員が増えたり、残業代を支払えないほど経営に追われていたりする会社の場合、倒産する可能性があります。会社が倒産すると、残業代を含むすべての賃金が回収困難となるでしょう。

公的機関の支援事業を活用することで、ある程度は会社に代わって支払ってもらえますが、満額ではありません。また、公的機関の支援事業を活用するためには、一定条件を満たすことも求められます。

会社が残業代を認識していながら故意に支払わなかった場合、法令違反に悪質性が認められれば従来の時効から3年間に延長されることもあります。ただし、実際に認められた事例が少ないため、早めの請求がおすすめです。

3.残業代はどうやって請求できる?

未払いの残業代は、何もせずに待っていても支払われる可能性は低いでしょう。経営者側から支払いを申し出ることも少ないため、行動を起こさなくては消滅時効が経過するまで放置されるのみです。

残業代の請求方法には、大きく分けて以下の2通りがあります。

◯自分で請求する

労働者個人が自力で請求・交渉を進めることで、コストをかけずに未払いの残業代を請求することができます。しかし、専門家に任せられる内容もすべて自分自身が行わなくてはなりません。自分自身で未払いの残業代を請求する場合、下記のようなデメリットがあります。

  • 有効となる証拠が分からない
  • 請求手続きのための書類作成でつまずく
  • 専門知識に強くないため押し切られやすい
  • 会社との関係など弱みを握られやすい

素人が残業の証拠集めを行うと、有効なもの以外も集めてしまう可能性が高く、交渉の場で効率良く話を進めることができません。また、交渉自体も、短時間で覚えた程度の法律や専門知識では太刀打ちできず、今後の雇用関係や世間体を理由に途中で交渉を断念してしまう可能性があります。

◯弁護士に相談する

専門知識を有する弁護士に相談して、未払いの残業代を請求する方法もあります。残業代の請求に必要な証拠は何かを教えてもらえるため、スムーズに交渉へ進むことができるでしょう。

また、弁護士に相談することで、残業代を正確に計算してもらうことも可能です。2023年4月以降は時効の延長も加わり、さらに請求ルールが複雑化すると考えられます。弁護士は法改正にも詳しいため、法に則って適切に対応してくれます。

4.残業代に関する相談は千代田中央法律事務所へ

未払いの残業代について弁護士に相談する際は、証拠集めのアドバイスや残業代の計算など、細かな部分を代行してもらえる「千代田中央法律事務所」がおすすめです。

千代田中央法律事務所は、飲食店や運送業、美容師など幅広い業種・職種での請求実績を持っているため、安心して任せることができます。タイムカードがない点を理由に他の法律事務所では断られた方の請求成功事例も、複数あります。

また、相談料や着手金が無料の完全成功報酬制により、相談のみで莫大な料金を請求されることもありません。

残業代に関して悩みや疑問点がある方は、まずは千代田中央法律事務所に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

民法が改正されたことにより、2020年4月以降の残業分から、残業代の請求権に関わる消滅時効が2年間から3年間に延長されました。

3年前までの残業代を請求することが可能となった今回の民法改正は、本来5年間まで延長する提案もありましたが、経営者側の反発によって3年となっています。そのため、今後は5年間まで延長される可能性がある一方、現在と同様に3年間で維持されるとも考えられます。

自分で未払いの残業代を請求する場合、請求にかかるコストを抑えることはできます。しかし、有効なもの以外の証拠まで集めてしまったり、専門知識に強くないために押し切られやすかったりして、スムーズに交渉まで進めないケースも少なくありません。

残業代を請求する場合は、完全成功報酬制なうえ、交渉を代行をしてくれる千代田中央法律事務所に相談することがおすすめです。

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