管理職手当と残業代の関係とは|手当の意味と相場も解説

管理職手当と残業代の関係とは|手当の意味と相場も解説

会社から管理職手当をもらっている場合でも、残業代が支払われるケースがあります。本来支払われるべき残業代が支払われていないときは、会社と交渉することで未払い賃金の回収が可能です。

この記事では、管理職手当の意味や管理職手当の相場、管理職手当と残業代の関係について解説します。さらに、未払い残業代のトラブルを解決するためのポイントや、おすすめの方法についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1.管理職手当の意味

「管理職手当」とは、会社内で管理職として勤めている労働者に対して支給される、基本給以外の賃金のことです。

一般的に、管理職と呼ばれる地位の人は部長・課長・係長・主任などの肩書きを与えられています。ただし、管理職手当の支給対象は会社のルールで決められるため、これらの肩書きを持っていたとしても、支給されるとは限りません。

管理職手当を会社が支給する目的としては、以下の2つがあります。

  • 責任の重い仕事に対する手当
  • 残業代の代わりとしての手当

現在、多くの企業では管理職に対して、残業代を支払っていません。なぜなら、労働基準法に定められている管理監督者に該当すると、企業は残業代などの支払いが免除されるためです。そのため、残業代の代わりとして、管理職手当を支給する企業が多くあります。

2.管理職手当の相場

管理職手当の金額は、役職や年齢、業種などのさまざまな要素によって異なります。また、管理職であっても、手当支給の有無は会社によってさまざまです。東京都産業労働局の調査によれば、管理職手当が存在する企業の割合は、全体の71.7%となっています。

管理職手当の支給平均額は、次のとおりです。

【同一役職につき同一金額を支給する企業】

部長 課長 係長
95,469円57,919円27,576円

【同一役職でも支給額が異なる企業】

部長 課長 係長
114,652円66,957円35,873円

出典:東京都産業労働局「中小企業の賃金事情(令和元年版)」

上記の調査結果から、部長クラスと課長クラスでは、管理職手当の金額に大きな隔たりがあることが分かります。課長クラスでは支給額が6万円前後であるのに対して、部長クラスでは10万円前後です。

ただし、東京都産業労働局の調査では、東京都にある中小企業を対象としているため、大企業での管理職手当は対象外となっています。企業規模が大きいほど、給与支給額が増える傾向にあるため、管理職手当の金額も大企業の方が高いと予想できます。

また、東京都以外の企業についても、調査の対象外です。一般的な傾向として、都市部の企業ほど給与水準が高いため、管理職手当の金額も高くなると予想できます。そのため、東京都以外の地域では、上記の金額よりも管理職手当の相場は低くなっているでしょう。

3.管理職手当と残業代の関係

通常、管理職手当は残業代の代わりとして、会社が労働者に支払うものです。しかし、「管理職」として働いている場合であっても、条件によっては残業代を請求する権利があります。

ここでは、管理職手当と残業代の関係について、労働基準法を踏まえて解説します。

3-1.管理監督者以外には残業代は支給される

管理職であっても残業代が支払われるか否かは、労働基準法における「管理監督者」に該当するかによって決まります。労働基準法で定められた管理監督者の条件に当てはまる場合は、基本的に残業代は支払われません。

残業代(時間外手当)とは、定められた労働時間よりも長く働いた場合や、休日に出勤した場合に支払われる手当のことです。
たとえば、休日に労働した場合には、通常の基本給に加えて割増賃金が発生します。また深夜残業を行うと、さらに割増率が高まるなど、残業代のルールが設けられています。

労働基準法で定められた管理監督者の場合、仕事の成果が単純な労働時間のみで評価することが難しいケースがあります。そのため、時間外労働に対する対価である残業代は支給されず、代わりに職責に対する対価として管理職手当が支給されることが一般的です。

しかし、社内での肩書きが管理職で管理職手当が支給されていたとしても、労働基準法で定められた管理監督者の条件を満たさない場合は、残業代が発生します。

そのため、管理職として働いているものの管理監督者に該当しない人が、残業したにもかかわらず残業代を受け取っていない場合は、会社に請求することが可能です。まずは、自分の待遇が労働基準法で定められた管理監督者に当てはまるかを確認しましょう。

3-2.管理監督者の要件

労働基準法で規定される管理監督者の要件について、詳しく解説します。管理監督者に該当するための主な要件は、「職務内容」「責任と権限」「勤務態様」「待遇」の5つです。

〇職務内容

労働基準法で定められた管理監督者の職務内容は、現場の管理や指揮など、経営者に近い必要があります。肩書が管理職であったとしても、働き方の実態が伴わない場合は、管理監督者には該当しません。

〇責任と権限

労働基準法で定められた管理監督者と認められる条件は、経営者に近い責任と権限が与えられていることです。現場のマネジメント業務を行っていたとしても、責任や権限が委譲されていない立場の人は、管理監督者に該当しません。

〇勤務態様

労働基準法で定められた管理監督者は、勤務様態の自由度が高いことが特徴です。出勤時刻や退勤時刻を自分の裁量で決めることができます。

〇待遇

労働基準法で定められた管理監督者は、地位にふさわしい待遇を受けていることが条件となります。他の従業員と比較して、給与金額や賞与などが優遇されていない場合は、法律上の管理監督者とはみなされません。

4.未払い残業代がある管理職の人は弁護士への相談がおすすめ

未払いの残業代がある場合は、弁護士への相談がおすすめです。特に、残業しているにもかかわらず、管理職であることや管理職手当を受け取っていることを理由に残業代が支払われていない場合は、会社との交渉が必要となります。

未払いの残業代を請求するためには、残業代が未払いであることを客観的に証明できる証拠が必要です。また、実際に何円分の残業代が未払いとなっているかを、割増率や残業時間に基づいて計算した上で、会社側と交渉を行います。

残業代の計算は、休日出勤した日が法定休日か法定外休日かといった条件や、法律で定められる労働時間の上限を超えているかによって変化するため、正しい知識が必要です。
さらに、経営者側が未払い残業代を認めない場合や、交渉に応じない場合には、訴訟などの法的な措置が必要となります。これらの作業を個人が自力で行うことは容易ではありません。

法律の専門家である弁護士に相談することで、正しい法律知識に基づき、未払い残業代のトラブルに対処できます。

千代田中央法律事務所は、これまで数多くの残業代に関する案件に取り組んできました。
残業代請求を集中的に扱う弁護士が直接対応することが、千代田中央法律事務所の特徴です。

また、千代田中央法律事務所への相談は、相談料と着手金が0円となっています。残業代に関するトラブルで困っている場合は、千代田中央法律事務所への相談を検討してください。

まとめ

管理職手当は、部長や課長といった肩書を持つ管理職の人に支払われる手当です。ただし、管理職の肩書きで働いていたとしても、業務内容や労働条件が労働基準法で定められる条件を満たしていない場合は、残業代が発生します。

未払いの残業代がある場合は、自分だけで交渉を進めず、弁護士に依頼することがおすすめです。管理職であることを理由に残業代が支払われていない人は、千代田中央法律事務所に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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