みなし残業とは?超過分は請求することもできる!

みなし残業とは?超過分は請求することもできる!

「残業代」は、実際に残業をした時間に対して支払われる報酬であることが基本です。
しかし中には、残業時間に関係なく、毎月一定の金額が固定残業代として支払われることもあります。この固定残業代の制度を、「みなし残業」と言います。

現代の日本では、みなし残業制度を採用する会社が増えており、みなし残業が労働問題化するケースもあります。
みなし残業制度の会社で働いている方は、請求できるはずの残業代が未払いとなっている可能性もあるでしょう。

そこで今回は、みなし残業の基礎知識や問題点・メリットと、みなし残業制度で残業代を請求する方法を紹介します。
みなし残業で残業代を損していないか心配な方は、ぜひ参考にしてください。

1.そもそもみなし残業とは?

みなし残業とは、労働者へ支払う賃金や手当に一定時間分の固定残業代を含める労働契約制度です。
たとえば「月あたり20時間分の残業代を含む」とみなし残業時間が設定された場合、実際に残業が20時間なかったとしても、設定時間分の固定残業代が支払われます。

みなし残業制度が適用される対象は、主に「事業場外労働」と「裁量労働制」の2つです。
2つの対象の特徴を、以下に詳しく紹介します。

事業場外労働 事業場であるオフィスの外で業務を行うため、会社が労働時間を正確に把握できないケースです。
事業場外労働の例としては、外回りがある営業職や在宅勤務といった業務形態が挙げられます。
裁量労働制 繫忙期・閑散期で業務量の振れ幅が大きい職種の場合、業務の時間配分などは労働者自身で行う方が効率的であるため、みなし残業制度が適用されます。
裁量労働制がある例としてはクリエイターなど専門性のある職種や、企画業務・労務人事業務など管理職にあたる専門業務です。

1-1.みなし残業は違法?

みなし残業は適法であるケースと、違法であるケースが存在します。
適法・違法となるそれぞれの条件を見てみましょう。

●みなし残業が適法となる条件

  • 給与内訳で基本給と残業代が区別されている
  • みなし残業制度について就業規則などを通じて周知している

会社はみなし残業制度を導入するうえで、給与内訳を明確に区別し、労働者へ制度の周知を行う義務があります。
2つのポイントをおさえているみなし残業制度は適法です。

●みなし残業が違法となる条件

  • 適法となる条件を満たしていない
  • 極端に長時間を残業時間として設定している
  • 労働基準法で定められた最低賃金を下回っている

みなし残業が違法となるケースは、適法となるポイントをおさえていない場合や、労働者にとって極端に不利な条件で設定している場合です。

1-2.みなし残業制度が増えている理由

みなし残業制度を適法で運用するためには各種条件があるものの、なぜ導入する会社が増えているのでしょうか。
ここからは、2点の理由を解説します。

●待遇を良く見せたいため

みなし残業制度を導入していると、求人広告で給与待遇を大きく見せられます。
たとえば、「基本給30万円(固定残業代10万円含む)」と書くなどです。

実態は、基本給20万円+残業代10万円であるものの、求職者は魅力的な労働条件の求人情報と判断してしまいます。

●未払い残業代逃れの理由にしたいため

悪質な会社では、みなし残業制度を未払い残業代逃れの理由にしようとします。
労働者が法定労働時間超過分の残業代を請求しても、会社側は「固定残業代を払っているから」と主張して取り合ってくれません。
会社の説明を労働者が鵜呑みにしてしまうことも多く、会社は安い基礎賃金で残業させているケースもあります。

2.みなし残業にはメリットもある

みなし残業は悪いイメージが付きまとうものの、実は適法で運用すると企業側・労働者側の双方にメリットが存在します

【企業側のメリット】

●残業代の計算にかかる負担を軽減できる

会社にとって、従業員一人ひとりの残業時間から残業代を計算することは労力がかかる作業です。
みなし残業制度はあらかじめ残業代を支払うシステムであるため、設定時間内で行われた残業であれば残業代の計算が不要となります。

●従業員の多様な働き方に対応できる

みなし残業制度は事業場外労働で活用されているように、従業員がオフィス業務に縛られない働き方をできる点もメリットです。
設定時間内で労働時間を調整できるため、テレワーク業務で導入するケースもあります。

【労働者側のメリット】

●収入の安定化が期待できる

みなし残業制度はあらかじめ割増賃金の固定残業代が支払われるため、労働者は毎月の収入を安定させることができます。
給与額の増減をなるべく減らして、ローンやカード支払いなど生活設計の見通しを良くしたい方に適した制度です。

●業務を早く終わらせれば効率良く稼げる

残業時間が短くても固定残業代は支払われるため、業務を早く終わらせられる方は効率良く稼ぐことができます。
仕事は遅い方が残業代で稼げる、といった不平等も起こりません。

3.みなし残業制度でも残業代の請求は可能!

みなし残業制度の会社で設定されたみなし残業時間以上に働いた場合、残業代は請求できるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

設定されたみなし残業時間の超過分である残業代は、当然請求することが可能です。
たとえば以下のように、みなし残業時間が20時間と設定されているうえで22時間の残業を行った場合、超過した2時間分の残業代は請求できます。

3-1.請求方法は?

みなし残業時間以上に働いた残業代を請求するためには、まず超過分の残業代がいくらになるかを計算しましょう。
残業代の計算方法は、以下の計算式で行います。

①全体の残業代=1時間あたりの賃金×残業時間数×割増率(基準は1.25)

②超過分の残業代=①全体の残業代-固定残業代

たとえば1時間あたりの賃金2,000円で22時間残業を行った場合、全体の残業代は2,000×22×1.25=55,000円です。
20時間分の固定残業代として5万円が支払われていれば、超過分の残業代は55,000-50,000=5,000円となります。

次に、会社に未払いの残業代を請求するために交渉しなければなりません。
意図的に残業代を支払わない会社と交渉する場合は、労働者側が積極的に回収するための行動を起こす必要があります。

●未払いの残業代がある証拠を集める

みなし残業で未払いの残業代を請求するためには、計算した残業代をそのまま伝えるだけでは足りません。
会社側に対して、未払いの残業代が確かにあることを証拠として出す必要があります。
以下の雇用制度・給料金額・業務時刻がわかる資料を集めておきましょう。

  • 就業規則(コピー)
  • タイムカード
  • 給与明細
  • 業務用メールの送受信時刻履歴など

●残業代の請求書を内容証明郵便で送付する

残業代の請求書と証拠となる資料を会社へ送付しましょう。
請求内容を明確に記載した内容証明郵便で送付すると、郵便局が送付した事実を証明してくれるためおすすめです。
未払いの残業代は時効が2年であり、内容証明郵便は時効を一時的に中断してくれる効果もあります。

4.残業代に関する相談は千代田中央法律事務所まで

みなし残業で未払いの残業代は個人でも請求できるものの、会社側が素直に払ってくれるとは限りません。
交渉が決裂した場合には労働基準監督署への報告や労働審判・裁判訴訟とトラブルに発展する可能性もあるため、確実に回収したい場合は法律事務所に相談してください。

みなし残業の残業代請求は、千代田中央法律事務所に相談することがおすすめです。
千代田中央法律事務所は残業代の請求経験が豊富にあり、残業の証拠が少ないケースでも回収できた実績を数多く持っています。
相談料・着手金が初回0円であるため、弁護士に依頼する初期費用が不安な方も安心です。

労働者の立場に寄り添って解決を図ってくれる千代田中央法律事務所で、みなし残業の残業代をしっかりと回収しましょう。

まとめ

みなし残業とは、支払う賃金に固定残業代を含めている制度です。
設定されたみなし残業時間内であれば、残業時間に係わらず給与は固定額となります。
会社によっては違法な条件でみなし残業を採用しているケースがあり、労働者に不利を強いていることもあるため注意してください。

設定されたみなし残業時間以上に働いた場合は、残業代の請求が可能です。
超過分の残業代を計算し、必要な情報を集めて会社に請求を行いましょう。
個人が会社と対等に請求交渉することは難しいため、残業代の請求実績が豊富な千代田中央法律事務所への相談をおすすめします。

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